2001年5月17日
こけら落とし特別公演の当日の風景


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片岡仁左衛門
特別公演

八千代座に
ついて

演目および
出演者について

 

 

片岡仁左衛門

平成こけら落とし「八千代座歌舞伎」片岡仁左衛門特別公演

  ◆演目および出演者

  
  
近松門左衛門 作
       
傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 土佐将監閑居の場  80分 

          浮世又平 後に 土佐又平光起   中村 翫   雀
          又平女房おとく          片岡 孝 太 郎
          狩野雅楽之助           片岡 愛 之 助

  
  岡村柿紅 作    
       身替座禅(みがわりざぜん) 新古演劇十種の内  50分
         常磐津連中 長唄囃子連中                 

          山蔭右京             片岡 仁左衛門
          太郎冠者             片岡 愛 之 助
          奥方玉の井              中村 翫   雀

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傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 
  土佐将監閑居の場
 大津絵の絵師、浮世又平は生来ことばが不自由ですが、女房のおとくが懸命にお喋りをしてそれをかばってきました。師匠の土佐将監に、又平は絵師として「土佐」の苗字を懇願しますが、未熟を理由に許されません。弟弟子の修理之助にも先を越された又平は死を決意し、せめてもの形見にと庭先の手水鉢に自画像を描きだします。すると不思議にも筆に魂がこもって・・・。
 劇聖・近松門左衛門の名作です。夫婦の情愛がきめ細やかにほのぼのと描かれます。

 

身替座禅(みがわりざぜん) 新古演劇十種の内
  常磐津連中 長唄囃子連中
 恐妻家の山陰右京は、持仏堂にこもって座禅をすると妻の玉の井に言い訳して、恋人の花子に会いに行きます。家来の太郎冠者に申しつけて身代わりに座禅させますが、訪ねてきた玉の井に正体がばれてしまいます。今度は玉の井が太郎冠者になりすまして夫の帰りを待ち受けます。そうとは知らず、ほろ酔い機嫌で戻ってきた右京は、恋人との逢瀬を嬉しそうに語って聞かせます。怒りが頂点に達した玉の井は、かぶっていた衣を取ってついに姿を見せ、形相凄まじく右京を追い回すのでした。
 狂言の名曲「花子」を題材とした舞踏劇です。妻におびえる夫と嫉妬心が深い妻がおりなすユニークな物語です。現代でもありえる夫婦の葛藤を微笑ましく描いています。

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八千代座について

 江戸時代の面影を残す「八千代座」は、温泉と商工業で栄えた旦那衆が、明治43年に劇場組合を作り、建設した芝居小屋です。
 大正から昭和の初めにかけてこの八千代座に、歌舞伎をはじめとした当時一流といわれる芸能人が訪れています。
 昭和40年代になると庶民の娯楽が多様化し、八千代座は時の流れの中に取り残されていきます。閉鎖状態が続き老朽化が進み、朽ちかけていく八千代座に一番心を痛めたのは、華やかだった頃を知るお年寄りでした。老人会は「瓦一枚運動」で募金を募り、5万枚の屋根瓦を修復。この運動に刺激を受けた若者も、復興へ向けた様々な活動を始めた結果、昭和63年12月には国指定重要文化財に指定されました。
 平成8年から始まった、文化財の保存修理も、平成13年5月には竣工。再び華やかな八千代座がよみがえります。

 
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